縮毛矯正を「上手にお断りする」方法

雇用される美容師にとって、最もジレンマを抱える場面はきっとこれでしょう。
「手に負えない仕事は正直に断りたい!」

人によっては、「情けない!」とか「それではプロではない」と言う人もいるでしょうが、私個人としては、ただ責任感のある人だと認識しています。

というのも、サロンワークにおいて来店されるお客様の「髪質」は千差万別ですが、「ダメージレベル」もまた十人十色な訳ですので、依頼された仕事を全て完璧にこなすことは不可能といえるでしょう。

正確に言うと、施術の成功とはすなわちお客様の「期待に応えられるか」であって、美容師の主観は全く必要ではありません。

なので、自身の実力をもってお客様の描く理想に応えられるかを、分析して結論を出しているので「責任感のある美容師」だと考えるのです。

ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、お客様に施術のお断りをすることを「肯定」する立場でこの記事を書いていこうと、そう考えています。
よろしければご一読ください。

「美容師は知ってた!?」施術不可能なダメージ毛とは?

・ダメージ原因別「復活%」

ダメージ毛と一括りに言っても、毛髪がダメージを受ける原因は様々であって、多種多様なことで結果的にダメージ毛へと変化していきます。

では、どのようなダメージ毛なら縮毛矯正の施術によって、見事「復活」することができるのでしょうか?
ダメージ原因別の「復活%」について科学的根拠はありませんが経験値からご説明いたします。

  • 還元剤によるダメージ
  • アイロンなどの加熱性の器具によるダメージ
  • カラー剤によるダメージ
  • 日常生活でのダメージ

毛髪のダメージになり得る原因はほかにもありますが、代表的なものとして上記を挙げています。一つずつ残りの「復活%」についてご説明していきます。

・還元剤によるダメージ…還元剤によるダメージはポーラス毛のような余程の状態でなければ復活する「%」は高いといえます。

なぜなら、還元剤によるダメージに関しては、ダメージを受けた還元剤以上のパワーを与えることが可能ならば、「復活」することができるからです。
(詳しくは別記事にて後日書いていきます。)

・アイロンなどの加熱性の器具によるダメージ…アイロンなどの加熱性の器具によるダメージとは、いわゆる「火傷」です。

こちらの、「復活%」はかなり低いと言わざるを得ません。
というのも、ご存知の通り皮膚に負った「火傷」によるダメージは回復こそしますが、「元通り」になることはありません。
毛髪に関しても同じことがいえるのですが、熱によって負ったダメージは「回復」することは難しいといえるでしょう。
(スミマセン、こちらも詳しくは別の記事にてご説明いたします)

ダメージの種類も大きく分けるとザックリこの2つとなりますが、直接的な原因としてはさらに枝分かれしていきますので、失敗された毛髪を過去どれだけ見てきたかが「見立て」の実力差とつながることでしょう。

とはいえ、問診による過去の施術歴や各施術に対する髪質の特徴などのデータは、目の前のお客様から知ることができますので、そこを突破口にご自身の頭の中で理論が成り立ったときにのみ施術を開始することをお勧めいたします。

本物の職人ほど、己の「手の長さ」を知っているものです。
むやみやたらに一か八かの勝負をかけることは懸命とはいえないので、ご注意ください。

 

頭の中で「理論」が立てられますか?

・まずは髪の毛さんの「声」を聞け!

こちらは人によっては「?」となることでしょう。
それもそのはず、髪の毛と会話しろというのだから、しょうがない。

しかし、お伝えしたいのは本気で「話しかけろ」というつもりはなくて、目に見えない髪の内部を想像して、今の毛髪の状態から分析しなさいということです。

というのも、美容師に限らずにいわゆる職人や芸術家など素材を扱う「感性」の仕事をしている方々には、通じるところですが、素材を見極めれば「方法」が見えるというものです。

あまり聞きなれない方は、もしかしたら感性に頼らない理論派なのかもしれません。
もちろん、美容師にも様々な個性や能力をもつ人がたくさんいますし、アプローチは100人いれば100通りのやり方がありますので、なにが正解かは誰もわかりません。

大切なことは、目の前にいる「お客様の髪の毛を綺麗にすること」だけなので、ご来店するお客様すべての方の髪質や、ダメージ状況を踏まえて適切な施術を施すことが重要となります。

具体的なアプローチの仕方

一番おすすめしたい思考方法は、履歴を含めた現状の毛髪の現状を「分析」することから初め、次に分析結果を元に「理論」で適切な手段を考えていきます。
そして最後に、どれをどのぐらいの塩梅で「職人の勘」を用いて仕上げることです。
これは、どんな毛髪に対してもオールラウンドに対応できるやり方なので、ご参考までにしてください。

また、この3つのプロセスを経て出した結論は「説得力」が非常に高いので、たとえばお客様に施術のお断りをするときなどにも適したやり方だといえるでしょう。

というのも、ただ「できない」とお断りするよりも、客観的な判断とプロとしての主観から精査した結論は、お客様への誠実な対応とお客様ご自身も分かっていただけるので、お断りしたことからトラブルへ発展することはないでしょう。
むしろ、そこまで考えてくれたことに感謝をされることもあるかもしれません。

もしくは、当日の縮毛矯正はできなくても、それ以外の施術を施すことで「キレイ」になることができるなら、お客様へご提案すると喜ばれるのではないでしょうか。

お断りするには、コツがあります!

・断る理由は、お客様の「期待値」に応えられない時だけに!

ご来店されたお客様に、施術をお断りすることは業界では通常、ご法度のように扱われてきましたが、そこには実は2通りの考えが働いていることに気づく美容師は少ないことでしょう。

それは、断る理由が「自分都合」か「お客様目線」なのかを分ける必要があるのですが、前者は美容師として難易度の高い毛髪を施術するだけの技量が足りていないことが原因であることがほとんどで、多くの場合自分のスキル不足を認めずに、お客様の髪の状態を理由に希望施術の断念を勧めます。

一方、お客様目線でお断りに至るときは別のことを理由としていることが多いのですが、それはお客様からの「期待」と美容師が提供できる「結果のズレ」が予測されるときにお断りの理由として成り立つのではないでしょうか。

たとえば、お客様がご来店されるときは施術後の仕上がりの様子をイメージしてご来店されますが、その期待と美容師が予測する施術の結果にズレがある場合は、正直にお客様に伝えることが得策だったりすることもあります。

なぜなら、いくら美容師が頑張って今できる120%の施術を施したとしても、お客様がイメージする「期待」に届いていなかったら、お客様からしたら「失敗」と同じことなのです。
もっというと、「失敗された!」と思われることもあるでしょう。

そうなるとどうでしょう?
髪がキレイになって喜ぶお客様はいなくて、さらに頑張って持てる力を出し切った美容師も報われないので、結果的に誰も幸せになる人がいないということになってしまいます。

美容師にとっては前向きな気持ち自体はとても大切ですが、それ以上に冷静な分析力とお伝えする能力が現場では必要になのだといえますね。

・「代替案」は用意して、お断りしましょう。

では、施術のお断りをしたお客様に対してどのようなフォローアップが必要になるかというと、それは「代替案」を提示することが最善の方法といえるでしょう。

たとえばお客様はご自身の髪の毛をキレイにしたくてご来店されていますし、外見からも他人にどう見られたいと思っているかイメージをお持ちかもしれません。

ならば、その髪をキレイにしたい欲求と他人から見られるイメージについてご説明して差し上げたらどうでしょうか?

髪をキレイにすることは、なにも縮毛矯正の施術によるものだけではなく、トリートメントもありますし、カットでもある程度対応することはできるはずです。

また、他人からの見え方についても「テイスト」を表現するには、それこそ様々なアプローチができるのではないでしょうか。

技術的に申せば、カットやスタイリング、カラーやパーマなどで十分表現できるでしょうし、むしろ縮毛矯正を選択するよりも幅が広がるかもしれせん。

このように代替案をお客様へ提示することで、施術を「お断り」するよりも喜ばれることがあるかもしれませんし、結果的にお客様からの信頼を勝ち得ることができるかもしれません。

もちろん、いつか縮毛矯正でお客様を喜ばせることができれば一番いいことは言うまでもありません。

顧客獲得のチャンスは、誰かの「失敗」から始まる!

・他人の失敗を、「決して責めない!」のがカッコいい✨

美容師の仕事を長くしていると、ときには珍しい経験をすることもあると思いますが、その中でも前担当美容師に関して「お口があんぐり・・。」なんてことも美容師あるあるとしては語られることです。

通常、お客様は就学前後の頃より美容室または床屋さんで髪にまつわる施術を受けていることが一般的だといえますが、ずーと同じ美容師に担当してもらっている方もレアケースなのではないでしょうか。

ということは、ほぼ必ずと言っていいほど、ご新規でご来店されるお客様にはあなたの前に担当した美容師がいるはずであって、その履歴を嫌というほど一度吸い込まなければなりません。

そうでなければ、前の美容師が何を意図して施術を施したかがわからないので、目の前にいらっしゃるお客様の今日の施術の「方針」をあなたが決めかねてしまいます。

たとえば、実力が伴わず髪に必要以上のダメージを与えてしまっただとか、その逆に必要な薬剤パワーを調合できずに失敗に終わってしまうなど。
はたまた、パーマデザインとベースとなるcutのデザインが合わずに本来の狙いが噛み合わないイマイチなヘアスタイルになってしまうこともあるかもしれません。

美容施術での失敗は数しれないパターンがあるものですが、新規でご来店されたお客様もまた、そのうちのどれかに当たってしまい、あなたのサロンへいらしていることがほとんどといえるでしょう。

ではここで問題です。
前担当者を卑下してご自身を「できる美容師」に引き立てるか?
もしくは、前担当者を貶めることなく、お客様に美容師であるあなたをを「認めてもらうか」?
どちらが後々の関係性を考えた上でも得策といえるでしょうか。

答えは明白ですが、実際は前者の行動をとってしまう美容師が多く、そのことはお客様もよくご存知でいらっしゃいます。

美容師とは「かっこよくて、ナンボ」でありたいと願わずにはいられません。

縮毛矯正で失敗する前に「お断りする方法」のまとめ

いかがだったでしょうか?
今まで美容師として、お客様に「お断り」するためだけの記事を見たことがあったでしょうか。私の知る限り存在しないと思いますが、美容師であれば誰でもご経験のある事柄だと思えてなりません。

今まで美容師の多くの施術の失敗を見てきて、感じることは「悪意のある失敗は、ほぼ存在しない」ということです。

きっとカウンセリングの段階で、不可能であることを知っていながらも、それでも施術しなくてはならなかったのだろうなと想像はできますし、理論的には間違ってないはずなのに目の前に現れた結果は散々たるもので恐怖を感じた経験をしたのだろうなと考えさせられることもあります。

施術者として大事なことは「己の腕の長さをよく知ること」であって、ご自分のできることとできないことをよく理解していることです。

また、お客様に対しても上っ面な「自分都合の言い訳」で逃げ切るのではなくて、分析結果を話した上でのプロとしての見解をお話しすることも重要ですし、何よりも自分の実力を正直に認める姿勢こそが最も誠実な対応と言えるのではないでしょうか。

最後になりますが、個人的には「お断り」を選択されることで、どれだけ他スタッフにバカにされようが、オーナーに罵られようがあなたが思う「お客様のためになること」と信じるならば、得はしないかもしれませんが「お断り」の選択は価値のあるものだと疑わずにはいられません。

あなたこそ「勇者」であると、声を大にして讃えたい。
頑張れ!そしてウマくやってね😁

 

 

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