抗がん剤治療後に髪がうねる理由と美容師ができること|CISTA公式ブログ

抗がん剤治療後に髪がうねる理由と、美容師ができること

― 髪の再生と、希望の再生をサポートするために ―


髪が生えてきた喜びのあとに訪れる“もう一つの悩み”

抗がん剤治療を終え、再び髪が生えてきたとき、
多くの方がまず感じるのは「やっと戻ってきた」という安堵と喜びです。

しかし、その次に訪れるのが――望まぬ髪質の変化という新しい悩み。
「チリチリして扱えない」「前と全然違う」「どうにもまとまらない」
そんな悲鳴のような声がCISTAにもたくさん届きます。

これは、決して珍しいことではありません。
そして、誰のせいでもない自然な変化なのですから。

けれど、だからといって“仕方ない”で終わらせたくない。
美容師としてできることが、確かにあります。


抗がん剤治療後の髪に起こること:科学的な背景

抗がん剤は、がん細胞だけでなく「細胞分裂の活発な部分」に影響を与えるため、
毛母細胞(髪を作る細胞)にも作用します。

その結果、髪が一度すべて抜け落ち、新しく再生してくるときに――
毛根の形や毛穴の向きが一時的に変化するのです。
これが、強いうねりやチリつきの原因となります。

また、髪の内部構造(コルテックスとキューティクル)の再生バランスも不安定なため、
乾燥しやすく、ツヤが出にくく、弾力も乏しい傾向があります。

つまり、抗がん剤後の髪は「ただのクセ毛」ではなく、
**“再生途中の繊細な髪”**なのです。


一般的な縮毛矯正が合わない理由

通常の縮毛矯正は、健康な髪を対象に設計された薬剤と熱処理で行われます。
そのため、抗がん剤治療後の髪にそのまま使うと――

  • 髪が深刻なダメージを受けることもある
  • クセは伸びても、髪がチリつくまたは断毛
  • 髪が硬くなり、自然な動きが失われる

といった問題が起こりやすくなります。

美容師の間でも、一部の方を除いて「抗がん剤後の髪には縮毛矯正は怖くてできない」とされてきました。
しかしCISTAは、その“できない理由”の一つひとつを分析し、
できる方法を探し続けてきたのです。


CISTAが考える「抗がん剤治療後の縮毛矯正」のあり方

私たちが最も大切にしているのは、「髪を伸ばすこと」ではなく、
**“髪を傷ませないこと”**です。

CISTAの施術では、まず毛髪診断を行い、
髪の再生フェーズ・タンパク質の状態・保水量を見極めます。
そしてお客さま自身のことについても丁寧に伺います。

治療前(脱毛前)の髪の長さはどのくらいだったのか。
これからどんなふうに髪を伸ばしていきたいのか。
そのうえで、美容師としてできること・できないことを擦り合わせ、
完成の着地点をお互いに確かめ合う。

これは非常に大事な工程です。
なぜなら、「できること」はお客様それぞれの再生フェーズや髪の長さによって異なり、
「できないこと」はご理解いただくしかないからです。

私の個人的なスタンスとしては、

「どうにもならない今の状態から解放し、今できる限り綺麗になっていただく」

という想いをもってお客様に向き合っています。

また、テクニック面では以下のような独自メソッドを確立しています。

  • 一人ひとりに合わせた還元剤・pH・還元濃度の薬剤調合
  • 短い髪でもツンツンせず、自然な動きを引き出すアイロン操作
  • 髪を必要以上に傷つけない、同時補修型ダメージコントロール

指を通したときに「嬉しくなるような感触」。
それを理想にした施術こそが、CISTAの最大の特徴です。

結果として、クセが自然に落ち着き、
「矯正した」とは思えない柔らかさとツヤを取り戻すことができます。


実際にあった施術の変化:CISTAでのケース

あるお客様は、抗がん剤治療を終えて半年。
新しく生えた髪が細くチリチリで、毎朝鏡を見るたびにため息が出るとおっしゃっていました。

施術後、鏡を見つめながら「これが自分の髪なんて信じられない」と微笑まれました。
その瞬間、サロンの空気がふっと明るくなるのを感じました。

髪が整うと、姿勢が変わり、目の輝きが戻る。
それは決して大げさなことではありません。
美容師として、**“髪を整えることは、心を整えること”**だと改めて感じた瞬間でした。


美容師ができること:髪を通して希望を届ける

私たちは医療の専門家ではありません。
けれど、美容の専門家としてできることがあります。

それは、髪を通じてその人の“生きる力”を取り戻すお手伝いをすること。
「もう一度外に出たい」「鏡を見て笑いたい」――
そんな想いを叶える小さな一歩を支えるのが、私たちCISTAの役割です。

美容の力が、治療を終えた方々の希望に変わる。
医療で体を治し、美容で心を癒す。
その積み重ねが、医療と美容の新しい橋を架けていくのだと信じています。


まとめ:髪は「再生」ではなく「再出発」

抗がん剤治療後の髪は、ただあなたの毛髪として再び生えてくるだけではありません。
そこには、「もう一度自分らしく生きる」というあなたの意志が宿っています。

CISTAの縮毛矯正は、その“再出発”をそっと支える技術です。
髪の専門家として、そして人の心に寄り添う美容師として、
私たちは今日も一人ひとりの髪と真剣に向き合っています。


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