施術を終えたあと、お客様が最初に触れることが多いのは前髪です。
上を向いていた髪が自然に下り、額の前に前髪がある。
それだけでも、鏡に映る印象は大きく変わります。
抗がん剤治療後の縮毛矯正で変わるのは、髪が真っすぐになることだけではありません。
浮いていた前髪が下りる。
横へ飛び出していた髪が、顔まわりに沿う。
頭全体のボリュームが落ち着き、髪型として輪郭が生まれる。
その変化によって、
「自分の髪で過ごせるかもしれない」
と初めて想像できるようになる方もいます。
今回は、抗がん剤治療後の縮毛矯正によって、髪と日常がどのように変わるのかを、現場の美容師の視点からお話しします。
【結論】縮毛矯正によって、再生毛をヘアスタイルとして整えやすくなります
抗がん剤治療後の縮毛矯正では、現在生えている髪のうねりや広がりを整えます。前髪が下りやすくなる、横の髪が顔まわりに沿う、頭全体のボリュームが落ち着くといった変化によって、再生毛をひとつのヘアスタイルとしてまとめやすくなります。CISTAが目指すのは、ただ髪を真っすぐにすることではありません。カットと縮毛矯正を組み合わせ、自分の髪で日常を過ごせる形をつくることです。
治療後に生えてきた髪が、以前と違うことがあります
抗がん剤治療後に生えてくる髪は、治療前と同じ状態になるとは限りません。
国立がん研究センターのがん情報サービスでは、薬物療法後に最初は柔らかく、クセのある毛が生えてくることがあり、数カ月すると元の毛質に近づくことが多いと説明されています。
一方で、再び髪が生えても、以前より毛量が減ったり、髪が細くなったりする場合もあり、生え方や変化には個人差があります。
CISTAへご来店される方の髪にも、さまざまな状態があります。
・前髪が強くカールし、上を向いてしまう
・耳まわりの髪が横へ飛び出す
・トップの髪が大きく膨らむ
・場所によって、髪の太さやうねり方が違う
・髪は生えたものの、全体がひとつの髪型にまとまらない
髪が生えてきたことは、とても大きな変化です。
しかし、伸びてきた髪を自分で扱う段階になると、今度はうねりや広がりが日常の悩みになることがあります。
前髪が下りると、お顔の印象が変わります
抗がん剤治療後の再生毛について、特にご相談が多い場所のひとつが前髪です。
前髪が強くカールして上を向く。
額の前へ自然に下りてこない。
短い髪が立ち上がり、スタイリングしても収まらない。
前髪は面積こそ小さいものの、お顔の印象を大きく左右します。
適切に縮毛矯正を行うことで、強くカールしていた前髪が下りやすくなり、自然な前髪をつくりやすくなります。
ただ真下へ伸ばすのではなく、元々の生え方や希望する前髪の形を見ながら、アイロンの角度や力を調整します。
毛先に少し丸みを残し、乾かしたときに前髪として収まる状態を目指します。
横へ飛び出していた髪が、顔まわりに沿いやすくなります
再生毛では、耳まわりや横の髪が強くカールし、外側へ飛び出すように広がることがあります。
短い髪が横へ広がると、頭全体が大きく見えやすくなります。
水で濡らしても、乾くと再び横へ広がる。
スタイリング剤をつけても、時間が経つと元に戻る。
このような髪のうねりを整えることで、横の髪が顔まわりに沿いやすくなり、頭全体のシルエットも小さくまとまりやすくなります。
前から見たときだけでなく、横から見たときの輪郭や、耳にかけたときの収まりも変わります。
ボリュームが落ち着くと、髪型の輪郭が見えてきます
再生毛のうねりが強いと、それぞれの髪が異なる方向へ動き、頭全体が膨らんで見えることがあります。
縮毛矯正によって髪の流れがそろうと、必要以上に大きく見えていたボリュームが落ち着きます。
すると、前髪、トップ、耳まわり、襟足がつながり、ヘアスタイルとしての輪郭が見えるようになります。
縮毛矯正だけで髪型が完成するわけではありません。
CISTAの回復美容では、髪に感じていたコンプレックスを一つずつほどきながら、自分の髪で過ごせる形へ整えていくことを大切にしています。
ウィッグを外すことだけが、最初のゴールとは限りません
縮毛矯正を受けたら、その日から必ずウィッグを完全に外さなければならないわけではありません。
髪の長さや目指すヘアスタイルによっては、しばらくウィッグやトップピースを併用する方もいます。
自宅では自分の髪で過ごす。
近所への外出では帽子だけにする。
慣れてきたら、少しずつウィッグを使う時間を減らす。
トップの長さが育つまでは、トップピースを活用する。
このように、自毛デビューの形は一つではありません。
縮毛矯正によって髪が扱いやすくなることで、ウィッグを外すかどうかを自分で選べる時間が少しずつ増えていきます。
再生毛は、場所によって状態が異なることがあります
抗がん剤治療後の髪では、同じ頭の中でも、場所によって髪の状態が異なることがあります。
ある部分は比較的しっかりしている。
ある部分は細く、柔らかい。
前髪には強いうねりがある。
襟足はそれほど大きくうねっていない。
さらに、場所によって生え始めた時期が異なると、長さにも差が生まれます。
そのため、通常のクセ毛と同じ考え方だけでは、施術を組み立てにくい場合があります。
CISTAでは、すべての髪へ同じ薬剤をつけ、同じ力でアイロンを入れることはしません。
髪の太さ、うねり、乾燥状態、残っている毛髪体力を場所ごとに確認し、薬剤とアイロン操作を調整します。
自然に見せるためには、真っすぐにしすぎないことも大切です
強いうねりがある髪を、ただ真っすぐに固定すれば、自然なヘアスタイルになるわけではありません。
特に短い前髪や顔まわりを強く押さえ込むと、根元がペタンコになったり、毛先がツンツンしたりすることがあります。
CISTAが目指すのは、クセの伸び残りではありません。
扱いづらさの原因になるうねりは整えながら、根元の自然な方向、前髪の柔らかさ、毛先の丸みを残します。
縮毛矯正をかけたことを強く感じさせる髪ではなく、最初からこのような髪質だったように見える状態を目指します。
髪の長さによって、完成するヘアスタイルは変わります
縮毛矯正は、現在生えている髪のうねりを整える技術です。
そのため、施術後に完成できる髪型は、その時点の髪の長さによって変わります。
トップや前髪が短ければ、うねりが落ち着いても、希望するボブやショートヘアまで一度に完成できないことがあります。
一方で、現在の長さを活かした短いヘアスタイルをつくり、その後少しずつ希望する長さへ育てていく方法もあります。
CISTAでは、縮毛矯正後にどのような髪型をつくれるのかを確認し、現在の長さで目指せる完成形を共有します。
施術時期については、関連記事「抗がん剤治療後の縮毛矯正はいつから?」で詳しくご説明しています。
髪が整うと、日常の小さな選択が変わります
縮毛矯正によって病気の経験がなくなるわけではありません。
それでも髪が扱いやすくなることで、毎日の小さな選択が変わることがあります。
帽子をかぶらずに近所へ出てみる。
ウィッグを外して家族と過ごす。
鏡の前で前髪を整える。
美容室で次の髪型を考える。
久しぶりに会いたかった人へ連絡する。
CISTAの回復美容が目指しているのは、髪だけを変えることではありません。
髪を整える技術によって、治療後の日常へ戻るための選択肢を増やすことです。
まとめ|縮毛矯正は、自分の髪で過ごすための形をつくる技術です
抗がん剤治療後の縮毛矯正によって変わるのは、髪の真っすぐさだけではありません。
浮いていた前髪が下りる。
横へ広がっていた髪が、顔まわりに沿う。
頭全体のボリュームが落ち着く。
カットによって、再生毛がひとつのヘアスタイルになる。
その変化によって、自分の髪で過ごす姿を想像できるようになります。
施術後に完成できる髪型は、髪の長さ、毛量、うねり方によって一人ひとり異なります。
CISTAでは、縮毛矯正をかけることだけを目的にせず、現在の髪でどのようなヘアスタイルをつくれるのかを考えます。
前髪が下りたとき。
横の髪が収まったとき。
鏡の中に、自分の髪でつくられた髪型が見えたとき。
そこから始まる日常まで含めて、CISTAの回復美容です。
参考資料
国立がん研究センター がん情報サービス|アピアランスケア:がんの治療による外見の変化とケア
自分の髪で、自然なヘアスタイルをつくるために
CISTAの回復美容では、抗がん剤治療後の再生毛のうねりや広がりを整え、現在の長さを活かしたヘアスタイルをつくります。施術直後だけでなく、自毛デビュー後の日常まで考えてご提案します。
回復美容について詳しく見る

