縮毛矯正でがんになる?という記事を見て不安になった方へ

「縮毛矯正をすると、がんになる可能性がある」という記事を読み、不安になったことはありませんか。

特に、がん治療を経験された方や、抗がん剤治療後の髪を整えるために縮毛矯正を検討している方にとっては、簡単に聞き流せる話ではないと思います。

では、海外で発表された研究は、何を明らかにしたのでしょうか。

また、その内容を日本の美容室で行われている縮毛矯正へ、そのまま当てはめることはできるのでしょうか。

【結論】「縮毛矯正をするとがんになる」と断定できる研究ではありません

海外の観察研究では、ヘアストレート製品を使用した人と、子宮がんなどの発症との間に統計的な関連が報告されています。ただし、これは特定の製品や成分が、がんの原因であると証明した研究ではありません。また、研究で扱われた海外のヘアストレート製品と、日本の美容室で一般的に使われる縮毛矯正剤を同一のものとして考えることもできません。一方で、この研究だけを根拠に「日本の縮毛矯正なら医学的な心配は一切ない」と断定することもできません。分かっていることと分かっていないことを分けて考える必要があります。

海外の研究で報告されたこと

この話題のもとになった研究の一つが、2022年に米国国立環境衛生科学研究所などの研究者によって発表された観察研究です。

研究では、米国に住む35歳から74歳の女性を対象に、ヘアストレート製品やリラクサーなどの使用状況と、その後の子宮がん発症との関連が調べられました。

その結果、調査前の12ヶ月間にヘアストレート製品を使用したと回答した人では、使用していない人と比較して、子宮がんの発症率が高いという統計的な関連が報告されました。

これは無視してよい研究ではありません。しかし、研究結果を読む際には、「関連が示されたこと」と「原因が証明されたこと」を分ける必要があります。

研究の内容は、次の原著情報から確認できます。

この研究だけでは分からないこと

この研究は、日常生活の中での製品使用と病気の発症との関連を追跡する観察研究です。

観察研究は、今後さらに調べるべき可能性を見つけるうえで重要です。しかし、製品の使用と発症に関連があったからといって、それだけで製品が直接の原因だったと確定することはできません。

また、今回の研究だけでは、次のことまで特定されていません。

・どの製品やブランドが関係していたのか

・どの成分が関連していたのか

・美容室での施術と、自宅での製品使用をどう区別するのか

・どのような施術工程や使用量だったのか

・製品以外の生活環境や要因が、どの程度影響していたのか

したがって、この研究から直接、

縮毛矯正を受けると、がんになる

と結論づけることはできません。

同時に、関連が報告された以上、何も調べる必要がないと片づけるのではなく、今後の研究や製品情報を継続して確認する必要があります。

ホルムアルデヒドが原因だったと断定できるわけではありません

この話題では、ホルムアルデヒドという成分が取り上げられることがあります。

海外では、加熱によってホルムアルデヒドを発生させる可能性のある一部のヘアスムージング製品や、ケラチン系トリートメントが問題になってきました。

しかし、2022年の観察研究は、ホルムアルデヒドだけを原因として特定した研究ではありません。

研究対象となった製品には、複数の種類や成分が含まれていた可能性があります。したがって、

研究で関連が示されたのは、ホルムアルデヒドを使った施術だけである

と限定することもできません。

海外のヘアストレート製品と、日本の縮毛矯正は同じではありません

海外の記事に登場する「hair straightener」「chemical relaxer」「hair smoothing treatment」には、さまざまな製品や施術が含まれています。

日本の美容室で一般的に行われている縮毛矯正は、通常、薬剤で髪の結合へ作用させ、アイロンで形を整えたあと、酸化剤で固定する工程で行われます。

一方、海外で問題となってきた一部のケラチン系・スムージング系施術には、日本の一般的な縮毛矯正とは成分や工程が異なるものがあります。

そのため、海外の研究や注意喚起に出てくる「ストレート製品」を、すべて日本の縮毛矯正剤と同じものとして扱うことはできません。

ただし、海外製品だから必ず危険、国内製品だから絶対に安全という単純な分け方も適切ではありません。

どの国の話なのか、どの製品や施術を対象としているのか、何が調査されたのかを確認する必要があります。

日本ではホルムアルデヒドは化粧品への配合禁止成分です

日本では、ホルムアルデヒドは化粧品への配合が認められていない成分です。

実際に、国内で流通した化粧品からホルムアルデヒドが検出され、自主回収された事例もあります。

このことからも、国内では成分の規制や回収制度が存在することが分かります。

厚生労働省が公表した回収事例は、次のページで確認できます。

ただし、配合禁止という制度があることと、あらゆる製品や施術について医学的な危険性がゼロであることは、同じ意味ではありません。

特に、個人輸入品や、国内での正規流通経路が確認できない海外製品については、日本の基準に適合しているとは限らないため注意が必要です。

「日本の縮毛矯正なら絶対に安全」とも言い切れません

美容室で使用する薬剤には、髪や頭皮への刺激、アレルギー反応などの可能性があります。

また、がんとの関連についても、美容師が「絶対に問題ありません」と医学的に保証することはできません。

現在の研究から言えるのは、次の範囲です。

・海外の観察研究で、ヘアストレート製品の使用と一部のがん発症との関連が報告されている

・研究だけで、特定の製品や成分が原因だと確定したわけではない

・海外で調査された製品と、日本の一般的な縮毛矯正剤は同一とは限らない

・日本で行われる縮毛矯正についても、医学的なリスクが完全にゼロだと証明されたわけではない

不安を必要以上に大きくする必要はありませんが、根拠のない安全宣言で疑問を終わらせることも適切ではないと考えています。

CISTAが薬剤を使用するときに確認していること

CISTAでは、使用する薬剤について、製造販売元が示す使用方法や注意事項を確認し、施術する髪の状態に合わせて使用します。

薬剤の安全性だけではなく、髪と頭皮への負担を必要以上に増やさないことも大切です。

そのため、施術前には次のような点を確認します。

・これまでのカラーや縮毛矯正の履歴

・頭皮に傷、炎症、強いかゆみなどがないか

・薬剤施術で異常を感じた経験がないか

・現在の髪に残っている毛髪体力

・今回の施術でできることと、行わない方がよいこと

これは、がんの発症リスクを美容師が判断するための確認ではありません。

美容師として確認できるのは、現在の頭皮と髪の状態、そして美容施術を行ううえでの負担や注意点です。

がん治療を経験された方へ

CISTAには、抗がん剤治療後に生えてきた髪のうねりや扱いにくさに悩む方がご来店されます。

治療を経験したからこそ、「薬剤を使う美容施術を受けてもよいのだろうか」と心配になるのは自然なことです。

ただし、美容師が判断できることと、医療の専門家でなければ判断できないことは異なります。

美容師が判断すること

現在の髪の長さ、再生状態、施術履歴、ダメージ、毛髪体力を確認し、縮毛矯正が可能な状態かを考えます。

医療の専門家へ確認すること

治療中の美容施術の可否、現在の体調や治療内容との関係、医学的な発がんリスクなどは、美容師には判断できません。

現在も治療中の方、主治医から日常生活上の制限を受けている方、薬剤を使う施術に医学的な不安がある方は、施術を受ける前に主治医へご確認ください。

CISTAでは、医療的な安全性を保証するのではなく、確認できる範囲で髪の状態を見極め、無理な施術を行わないことを大切にしています。

インターネットの記事を読むときに確認したいこと

健康に関する情報は、強い言葉で紹介されるほど注目を集めます。

しかし、記事のタイトルだけでは、研究の対象や限界まで分からないことがあります。

「縮毛矯正でがんになる」という情報を見たときは、次の点を確認してください。

・どの国で行われた研究なのか

・どのような人を対象にしているのか

・どの製品や施術を調べたのか

・関連が示されたのか、原因まで証明されたのか

・研究論文そのものと、紹介記事の表現が一致しているか

・公的機関や原著論文へのリンクがあるか

不安な情報を見たときほど、「安全」か「危険」かの二択ですぐに決めず、何が分かり、何がまだ分かっていないのかを整理することが大切です。

参考資料

まとめ|必要以上に怖がらず、安全とも断定しない

海外の観察研究では、ヘアストレート製品の使用と一部のがん発症との間に、統計的な関連が報告されています。

しかし、この研究だけで、特定の製品や成分ががんの原因であると証明されたわけではありません。

また、海外で使用されたさまざまなヘアストレート製品と、日本の美容室で一般的に行われている縮毛矯正を、すべて同じものとして考えることもできません。

だからといって、美容師が「日本の縮毛矯正なら絶対に安全です」と保証することもできません。

必要以上に不安を大きくせず、同時に分かっていないことを安全だと決めつけない。

CISTAでは、美容師が判断できる範囲と医療の専門家へ確認すべき範囲を分け、現在の髪と頭皮に対して無理のない施術を考えます。

現在の髪と頭皮の状態を確認し、無理のない施術を考えます

CISTAでは、医学的な安全性を美容師が断定するのではなく、使用する薬剤の注意事項と現在の髪・頭皮の状態を確認しながら施術します。髪の状態によっては、施術を行わない判断も含めてご提案します。

CISTAの縮毛矯正について詳しく見る

>

CISTA/綱島本店.平日9:30~17:00休日10:00~19:00 .|.東横線「綱島駅」から徒歩2分 .|.東急新横浜線「新綱島駅」から徒歩5分

CTR IMG