抗がん剤治療後の髪は元に戻りますか?
「髪は元に戻りますか?」
回復美容をしていると、とても多い質問です。
でも実際には、
「ここまでクルクルになると思いませんでした」
「クセ毛になるとは聞いていました」
「でも、ここまでとは思っていませんでした」
そんなふうに話される方のほうが多い印象です。
治療前の自分との違い。
その想像を超えてしまったこと。
まず、その気持ちを話される方がほとんどです。
医学と美容では、「元通り」の意味が少し違います
医学的には、抗がん剤治療後の髪は2〜3年ほどで元に戻ると言われています。
もちろん個人差はあります。
ただ、美容師として髪を見続けている立場からすると、「完全に元通り」になる方は、それほど多くありません。
その理由は、抗がん剤が毛包幹細胞の近くにある「バルジ領域」に影響を与えるからです。
バルジには、どんな髪を作るのかという設計図があります。
その設計図が変化すると、生えてくる髪も変わります。
美容師が特に感じるのは、女性ホルモンの影響を受けやすい前髪やトップです。
細毛。
薄毛。
ボリューム。
このあたりは、治療前とは少し違う状態が続くこともあります。
だから、医学的に「元に戻る」と、美容師が考える「元通り」は、少し意味が違うのです。
ケモカールには、大きく分けて二つのタイプがあります
一つは、コイルのように強く巻くクセです。
毛穴がゆがんだ状態で髪が押し出されるため、一本一本が好きな方向へ伸び、まとまりにくくなります。
ところてんを押し出す型が丸なら丸。
三角なら三角。
その形で出てくるのと同じようなイメージです。
もう一つは、ジリジリした髪です。
いわゆる「ビビり毛」のような質感で、髪の内部構造がまだ安定していない状態です。
こちらは時間の経過とともに改善していくこともありますが、部分的に残ることもあります。
また非常にデリケートなので、アイロンやホームケアには注意が必要です。
同じケモカールでも、全員が同じではありません。
十人十色です。
だから対処方法も、一人ひとり変わります。
そこが「再生毛」を扱う難しいところです。
時間が解決することと、しないことがあります
治療後2年ほどの間、再生毛は少しずつ変化します。
髪は太くなり、内部のタンパク質も安定してきます。
でも、変化するのはこれから生えてくる髪です。
今ある髪が自然に変わるわけではありません。
毛先のクルクル。
ジリジリ。
細くなった部分。
それは時間では元に戻りません。
だから、時間だけを待つより、必要なタイミングで縮毛矯正などの技術を使うことも必要になります。
ただし、再生毛は非常に繊細です。
一般的な縮毛矯正では、せっかく生えてきた髪を傷めてしまうこともあります。
施術するなら、抗がん剤治療後の髪を理解している美容師にお願いしていただきたいと思っています。
私が考えているのは、「元に戻るか」ではありません
「元に戻りますか?」
そう聞かれることはあります。
でも私が考えていることは、少し違います。
あなたは、今どんな状態でいたいですか。
どんな場面で生活したいですか。
どんな気持ちで毎日を過ごしたいですか。
家ではウィッグを外したい。
仕事に復帰したい。
旅行へ行きたい。
人に会いたい。
その答えによって、必要な方法は変わります。
カットかもしれません。
トップピースかもしれません。
縮毛矯正かもしれません。
回復美容では、「元に戻るか」ではなく、今できることで生活を取り戻していくことを大切にしています。
元通りを待つより、「今の自分が一番好きになれる方法」を
徐々に髪は変わっていくでしょう。
でも、完全に元通りになるとは限りません。
だから、元通りだけを目標にするのではなく、今の自分が一番好きになれる方法を選んでほしいと思っています。
回復美容とは、髪を治すことだけではありません。
その人らしい毎日を取り戻すこと。
私は、そのために美容師という仕事をしています。
今の自分が一番好きになれる方法を、一緒に考えます
元通りを待つだけではなく、今できることから始める。CISTAの回復美容では、髪の状態と生活のゴールを一緒に考えながら、その時々に合った方法をご提案しています。
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