私の髪でも大丈夫でしょうか?
美容院で断られてしまった。
「抗がん剤治療後の髪はやっていません」
「うちでは難しいです」
「申し訳ありません」
せっかく勇気を出して問い合わせたのに、断られてしまうと、「もうどこへ行けばいいのかわからない」と不安になってしまいます。
でも、それはあなたを否定されたわけではありません。
実は、断った美容師さんも困っていたのかもしれません。
美容院で断られることは珍しくありません
治療後の再生毛の方が、美容室を探し始めるのは、髪が伸びてきた5ヶ月前後からが多い印象です。
そして、初めて行く一般的な美容室や電話での問い合わせでは、断られることは珍しくありません。
特に縮毛矯正は、ホームページなどで「抗がん剤治療後の髪に対応しています」と明記していない限り、断られるケースがほとんどです。
お客様は、
- 髪のプロだからできるはず
- 綺麗にしてもらえるはず
と思っています。
一方、美容師さんは、
- 経験がない
- 知識がない
- 責任が取れない
- リスクを避けたい
という立場です。
断った美容師さんが悪いわけではありません
美容師は常にリスクを考えながら仕事をしています。
髪のトラブルは、元に戻したり取り替えたりすることができません。
だからこそ、知識や経験がないのであれば、無理に施術しない。
それは無責任なのではなく、むしろ誠実な判断だと思っています。
一か八かで施術を引き受ける方が、私は怖いと感じます。
私が最初に見るのは「できるか」ではありません
私が最初に見るのは、「できるか、できないか」ではありません。
「どうすれば理想に近づけるか」を考えます。
まず、変えられないもの。
- 髪の長さ
- トップの長さ
これらは、時間が必要です。
そして、技術で変えられるもの。
- 毛髪体力
- 再生毛の状態
- ケモカール
これらについては、どうすれば綺麗な髪に近づけるかを考えていきます。
「できない」ではなく「今はやらない」という判断があります
お客様にとって、「できない」と「今はやらない」は同じように感じるかもしれません。
だって、頭の中では、綺麗になって帰る自分を想像して来店しているからです。
だから私は、「できない理由」を長く説明することよりも、「これからできること」を大切にしています。
カット。
トップピース。
部分的な施術。
半年後。
一年後。
回復美容では、時系列と状況に合わせて、その時できる最善を一緒に考えていきます。
永久にできないわけではありません
やっと再生してきた髪。
それを綺麗にしたいと思う気持ちは自然なことです。
もし美容院で断られてしまったとしても、それはあなたを否定したわけではありません。
美容師さんも、どうすればいいのかわからなかったのかもしれません。
一番怖いのは、自分の力量を知らない人です。
できるかできないかの判断がつかないまま、なんとなく施術すること。
それが一番危険です。
永久にできないわけではありません。
今まだできないだけ。
ゼロから再出発した髪だからこそ、これからできることは少しずつ増えていきます。
回復美容とは、「できないこと」を数えることではなく、「これからできるようになること」を一緒に増やしていくことだと思っています。

