一般的に縮毛矯正をするとクセが無くなって、サラサラのストレートヘアを手に入れることができますが、嬉しい一方でしっかりかかりすぎたが故の「失敗」も存在することをご存知でしょうか?

その「失敗」と呼ばれている悲しい現実の中から、この記事では関心の高い『分け目』とヘアアイロンに関連した失敗について掘り下げてご説明をしようと思っています。

縮毛矯正を長年定期的にかけ続けている方や、これからはじめての縮毛矯正をされる方々に「へー、そうなんだ〜」と思っていただけるように、たかが「分け目」されど「分け目」、さらにヘアアイロンによる根本1センチのこだわり技術について書いてゆく前代未聞の「分け目とアイロン」についてフォーカスしすぎな記事になっていますので、縮毛矯正ファンの方々においては是非ご一読くださいませ。

そもそも縮毛矯正でいう「分け目の失敗」とは?

縮毛矯正を長年かけていると毎回分け目について悩んでいる!という方は、「多くはないが少なくもないはず!」

では、どのようなものが縮毛矯正における「分け目」の失敗として分類できて、失敗の種類はどのぐらいあるものなのでしょうか。
下記にまとめてみました。

  1. 「やりすぎ!!」分け目がパックリついてしまった
  2. 分け目がピッチリのせいで、トップのボリュームがぺったんこ!
  3. 「言いづらいけど」、実は分け目そっちじゃないよ!
  4. 「ショック!!」、分け目付近の根元が折れてる!

多くのご意見を聞くとまだまだありそうですが、代表的な「分け目」についてのお悩みはこのあたりだと思います。

それでは一つずつみていきましょう。

「やりすぎ!!」、分け目がパックリついてしまった

最初に結論から申し上げますが、分け目がパックリついてしまう原因として考えられるのは、担当する美容師さんが「マジになりすぎ!」が主な原因といえるでしょう。

というのも、多くの場合この失敗を経験されるお客様の特徴というのも実はあって、「波状毛」のようにクセの「リッジ」がくっきり出るような方が代表的です。

(番外編)として「髪の毛が非常に細毛の方」でハリコシが少ない方も当てはまります。
こちらについては別記事でご紹介させていただければと思います。

それでは「波状毛の方」、このタイプに分類される方のクセ毛を本気の「縮毛矯正」で真っ直ぐにしようとすると、
しっかりとアイロンプレスをしなくてはならないので、どうしても毛髪の断面が潰れたようなぺちゃんこの根本になりがちです。

もう少し噛み砕いていうと、根本から1ミリの立ち上がりも許さないような、頭皮に張り付いた状態に見える「海苔状態」汗

そしてさらに、分け目付近の髪を分け目でしっかりキッチリ分けて施術してしまうことで「パックリ分け目の完成」となります😭

しかしながら、通常はこうならないように、アイロンプレスのときに「つむじ」を中心に放射状にアイロンを入れていきますし、そうすることでお客様ご自身の「毛流れに沿って」自然に髪が分かれていくので、パックリになることはまずありません。

ちなみに当店CISTAのこのつむじ周辺の施術では、つむじ周辺はプレス圧をやや弱めて、360°からプレスを入れることで自然な立ち上がりを作っています😚

また同じように加齢によって、トップの毛髪が細くなり始めたときなども使えるテクなので、今までパックリ分け目に悩まれていた方々には有効な方法かなと思います。

縮毛矯正で新たに「分け目を作成する」ことができるの?

こちらも少数意見ではございますが、WEB上では「分け目」に関連するキーワードとして、登場するお悩みのようです。

この分け目を作ることに関しては、目的がお客様それぞれにあると思うので、目的に合わせた正解は私には分かりかねますが、端的に申し上げてお客様の思った通りの位置に、「新たに分け目を作ることは不可能と言わざるをえません」

なぜなら毛髪を語るうえで「つむじ」の存在は絶対的存在であって、つむじを無視して作れるデザインは皆無。
それが可能な美容施術は一つとして存在しないでしょう。

それだけにつむじの持つエネルギーはとてつもなく大きいので、無理矢理に新たな分け目を作ったとしても、すぐに本来の毛流れから割れ始めてしまうので、結果的に収まりの悪い髪の毛になってしまうんですね。

ちなみに、毛流の強い(生えぐせ)箇所をいくつか挙げると、

  • つむじ
  • 前髪
  • えりあし
  • もみあげ

が特に個人差の出やすいところといえるでしょう。

たとえば、えりあしギリギリのショートヘアにするときなどは、美容師さんに止められた経験をお持ちの方もいるでしょうし、「えりあしに逆らっていいことはない」と考えている美容師がほとんどというのが現実です。

ですので、首の長さと襟足の終点位置にもよりますが、えりあしの毛流が強い方は「えりあし短いショート」にしづらいといえるでしょう。

縮毛矯正で「分け目を作りたくない派」の本音

ちょっと脱線しましたが、上記では「分け目をつけたい派」のお話をしましたが、今度は逆の「分け目をつけたくない派」へのお話をしていきます。

縮毛矯正をされている方がサロンへ行った際に、美容師さんから聞かれる「あるある」の一つとなりますが、

「分け目どこにします?」
の問いに対して、なんて答えたら良いのだろう?と思ったご経験はありませんか?

というのも、分け目をつけたくない派からすると、「分け目はどこ?」ではなくて、分け目をつけたくない!と言うのが本心なんですよね。

なのでお答えとしては、
「このあたりだけど、あんまりハッキリ分け目はつけたくない」、もしくは
「ボリュームを出したいのでトップはふんわりかけて欲しい」とリクエストをしてみてはいかがでしょう。

少なくとも美容師には、「分け目はネガティブなんだな」ということが分かりますし、それが伝わらないと完成型のデザインもご希望のスタイルとはズレることが想像できるので、お店を変えたほうが無難かもしれませんね。

縮毛矯正で起こる「根本が折れた」問題について

では大本命になります「分け目の失敗」のグランプリについてもお話をしていきましょう。

やはりグランプリは、分け目付近の「根元の折れ」でしょうし、実際に縮毛矯正の失敗を数多く見ていても「根元の折れ」に悩む方は決して少なくありません。

ではなぜ根本が折れてしまうのかというと、原因はいくつかあるのでご説明していきます。

  • ストレートアイロンの入れ方が間違っている
  • 還元剤の軟化反応が過還元となっている
  • アイロン操作が未熟で慣れていない

以上がよく見る「根元が折れる」代表的な原因といえます。
そして、これらの原因全てに関係しているのが「アイロンプレス」と結論づけられる点にもお気づきでしょうか。

と言いますのも、縮毛矯正の施術毎の役割としてみていくと、アイロン操作はまさに「カタチ作る」工程なので、「根本が折れる」とはつまりアイロン操作にミスがあるということに直結しています。

ストレートアイロンの入れ方が間違っている

またストレートアイロンの扱い方を間違えても「根本を折って」しまう原因の一つとなりますし、新しく生えた根本のクセ毛へアプローチする角度を間違えただけでも扱いにくい髪となってしまうこともあります。

さらに付け加えると、ストレートアイロンの操作を間違ってしまうと、根本のクセ毛をしっかりプレスできないことはもちろんですが、頭皮から垂直に立ち上がってしまったり(前髪)、頭皮に張り付くような原因にもなってしまいます。
まさに「真っ直ぐになったけど、なんか嫌」な状態といえますね😭

たとえば、垂直に立ち上がった根本の毛は「ロングヘア」なら髪の重さで落ち着くのですが、ショートヘアの場合はハリネズミのように膨張したように見えてしまいます。

この「垂直現象」とは異なりますが、頭皮に張り付くようなアイロン操作をしてしまうと「海苔」が張り付いたような、なんとも全体的にペッタリとした貧相な雰囲気になってしまいます。

また前髪やトップでこの「海苔」と「垂直」のコンビネーションを作ってしまうと、全体のフォルムも大きく損なってしまうだけでなく、いわゆる「スネ夫」のようになってしまうので注意が必要です。

還元剤の毛髪への軟化反応が、じつは過還元を起こしている

少し難しい言葉が並んでしまいましたが、縮毛矯正とは「薬剤を用いた化学反応」を起こすことで、毛髪の形状を変化させる技術となります。なので化学系の言葉が少し出ますが、少しだけお付き合いください。

そもそも「還元」とは髪の毛の中のタンパク質の鎖を解く働きをいいます。
シンプルにいうと、髪の毛を作っている「カタチ」を一度緩めるということです。

そのカタチを緩めるものが「還元剤」で、そのタンパク質を緩めたところに「ヘアアイロン」による高熱でカタチを変化させていきます。

また、緩めすぎた過還元の髪の毛にはほんの少しの物理的な力であっても、過剰にカタチを変化させてしまいます。
そこで、この過還元の髪の状態にアイロンを「ギュッ!」と握ったら、どうなると思いますか?

すでにお気づきだと思いますが「根本が握り潰され」て、結果「折れます」。
また折れるだけでなく、過還元によって毛髪のダメージもかなり負っていることになるので、髪のダメージを後々にまで尾を引く失敗となりそうです。

アイロン操作が未熟で慣れていない

縮毛矯正で使用する「ストレートアイロン」は、どのぐらい熱いかご存知でしょうか?

世の中には様々な種類の縮毛矯正があるので、一概には言えませんがおよそ180℃から200℃というのが一般的でしょう。

数字だけではわかりづらいですが、天ぷらを揚げる時の温度は180℃ですし、その高温のアイロンをお客様の顔の周りで施術することは当然ながら緊張しますし、美容師さんの手元は信頼したいものですよね。

そこでひとつ、動画時代の美容業界の問題点についても少し触れさせてください。

実は美容師さんの技術的な動画解説もYouTubeなどで広く配信されていて、私たち美容師もその施術動画に簡単にアクセスすることが当たり前にできます。

そこで昨今、問題となっているのが。
「分かる」と「できる」は違う問題が起きてしまっています。

一般の方もご経験があると思うのですが、料理動画などで見入っていると、さも簡単に「私にもできる!」と思いがちですし、紹介されるやり方を覚えてしまうと「私できる」の自信が湧いてきますよね。

怖い話ですが、コレ私たち美容師の中でも静かな問題となっている昨今です。
SNSの編集が上手だと、未熟さを見分けをつける方法は難しいので、このことから発生するトラブルも多いと聞きます。

話は戻りますが、
アイロン操作についてはアシスタント時代にたっぷり練習を積むものなのですが、その練習も実戦経験が乏しければ、すぐに衰えてしまうことは想像に難しくはありません。

まして、先ほど申し上げた通り「業界の静かな問題」ともあいまって、なんとなくできる技術と本物の技術には乖離があります。

事実、多くのサロンでは縮毛矯正のお客様は「ひと月に数名」というのが一般的ですし、そもそもスタイリストであっても経験が豊富だという美容師は決して多くはないはずです。

では「どのサロンが、縮毛矯正が得意なのか?」と疑問に思われるでしょうが、全国25万件以上ある美容室の中から、このキーワードで探しせば!ということは、とても困難ですよね。

しかし逆に「ここだけは、避けて!」ということはできます。
それは、「縮毛矯正で1万円」をキルとかなりヤバそう!ということができます。

実際にいろいろなサロンで「失敗した方々」が私のサロンへいらっしゃいますが、ホントに「ヒドイな・・。」と思う失敗は、上記の条件のサロンから起こっていることが多いです。

さらにいうと、「アイロン操作」に長けているサロンというのは、一般的に「縮毛矯正に特化しているサロン」ということができます。

なぜなら、アイロン操作をこだわるということは「当たり前にクセを伸ばすことができる」ことが大前提となっていて、「細部のこだわり」つまり「質感」のクオリティに直結することといえるからです。

もう少しわかりやすくいうと、縮毛矯正のオーダーを受けて「成功か失敗」を判断するのは、「クセが伸びたか・伸びてないか」のどちらかしかありません。

ならば、そこにハードルを持っていく美容師が一般的には多いということです。
「失敗をしなければいい」と考えるのが当然でしょうし、こだわりを求めるのには報酬が見合っていないというのが根本的な原因となっています。

ですので一つの目安になりますが、ロープライスで1万円以下の縮毛矯正を避けるというのが、最低限のリスクを回避するための「料金設定」といえるのかもしれません。

さらに、縮毛矯正の「質感のこだわり」を求めるのなら、料金としては2万円前後の範囲に「縮毛矯正の達人」が潜んでいることが多いです。

もちろんこの達人たちは、アイロン操作も一級品ですので「ご希望のリクエスト」をしても実現できることでしょう。

このように「根本の折れ」については、事前にあらかじめ料金設定をすることで、かなりのリスク回避が可能なので、是非ご参考になさってください。

<緊急追記>

昨今の物価高・コストアップ、SNS戦略もあって、今現在は料金での「いいお店」の判断が正しいとは言えなくなっています。

私の知る限りでは、「話題性のある商材と高単価」、「口コミ」のトリプル効果をマーケティング要素として広告展開されているサロンが増えているので、さらに「いい店」探しは難しくなっています。

現在の最善の方法としては、縮毛矯正についての専門的なオリジナル発信ができているサロンに行かれる。ということのみがオススメとなっています。

たとえば、縮毛矯正について「言語化」「文字で伝える」ブログ記事でもいいですし、YouTubeなど動画で解説している美容師さんをチェックしてみるのもいいと思います。

大事なことは、その美容師さんの経験に基づく「オリジナル発信」かどうかが、とても大切です。

逆にいうと、経験に基づくオリジナル発信だけは生成コピーすることができないんです。
私たち美容師もマーケティングが必須の能力となっている現代では、見分けづらいです。

この記事の情報が有益になればと思い、<緊急で加筆>しました。
最後となりますが、下記のまとめもご覧ください。

縮毛矯正 『分け目』と『アイロン』の失敗についての記事のまとめ

縮毛矯正における「分け目」と「ヘアアイロン」について、ここまで記事を書いてきましたが、思わず文章量の多い「大作」となってしまいましたね。

世界広しといえど、縮毛矯正施術の「分け目」について、ここまで掘り下げて書かれた記事もないでしょうし、他に書こうとする者も現れないだろうと今現在では思っています。。

ただ縮毛矯正をかけられるお客様にとっては、このフォーカスした情報は『とても有益なはず』です!!

「分け目」という細部の小さなこだわりですが、そこにこだわる美容師もいるということを知っていただけたら嬉しく思います。

縮毛矯正とは「究極の自己満足」といわれていますが、だからこそご自身がニッコリと幸せになれる縮毛矯正を選択していただけたらと考えています。

外見の7割は髪の毛と言われていますし、ツヤや綺麗な髪はその7割の効果を飛躍的にアップしてくれます。
ぜひぜひ7割プラスアップの効果を手に入れていただければと思います。

ご一読ありがとうございました。

CISTAシスタ綱島、縮毛矯正

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