ウィッグ生活って、いつまで続くんだろう

「もうウィッグを外したい」そう思ったときに|回復美容で考える治療後のタイムライン

治療が終わった。

でも、ウィッグ生活は終わらない。

「いつまで続くんだろう」

そんな気持ちになることは、決して珍しいことではありません。

ただ、回復美容は、縮毛矯正ができる時期まで何もせずに待つものではありません。

治療後に再び髪が生え始めた時から、その時の髪の長さや状態、そして本人がどのように過ごしたいかに合わせて、できることは少しずつ変わっていきます。

カット。

カラー。

ウィッグやトップピースの調整。

そして、髪が十分に育ってから行う縮毛矯正。

回復美容とは、抗がん剤治療によって変化した髪を美容技術で整え、本人が望む日常へ戻るための新しいアピアランスケアです。

ウィッグ生活が大変になるのは、髪が生えてきてからかもしれません

職場復帰を控えている方は、治療後1か月を過ぎた頃にフルウィッグで生活されていることが多い印象です。

この頃は、まだ再生毛もほとんどありません。

「ズレないかな」

「職場で大丈夫かな」

そんな不安を抱える方も多いでしょう。

ただ、ズレ防止のためのアイテムは数多くありますので、装着については必要以上に心配しなくてもよいことが多いものです。

本当に大変になってくるのは、むしろ髪が生えてきてからかもしれません。

再生毛が5cmほど伸びてくると、抗がん剤治療後の髪に現れやすい強いうねりやケモカールが目立ち始めます。

ネットで再生毛を押さえ、その上からフルウィッグを装着する。

自毛。

ネット。

フルウィッグ。

これは暑い。

気温が20度を超え、25度に近づく頃になると、蒸れや不快感を強く感じる方が増えてきます。

そして、この頃から、

「もう外したい」

と思う方が多くなってきます。

家の中だけでもウィッグを外したい。

でも、外せない。

小さなお子さんがいて、ご自身の病気について詳しく伝えずに過ごしている方もいます。

家族構成や生活環境はそれぞれ異なりますが、

「家にいる時ぐらい外したい」

そう思う方は多いでしょう。

鏡の前で「元の自分ではない」と感じることがあります

ウィッグ生活で感じる負担は、暑さや蒸れだけではありません。

一番つらい場所は、鏡の前かもしれません。

治療前までロングヘアだった方。

ずっとショートヘアだった方。

皆さん、それぞれに治療前までの髪と生活があります。

しかし、ここまで強いうねりやチリつきを経験したことはない方がほとんどでしょう。

髪が生えてきたことは、回復の一つです。

それでも、鏡に映る姿を見た時に、

「元の自分ではない」

と感じてしまうことがあります。

「しょうがない」

「見なかったことにしよう」

そう考えるだけで解決できれば、どれほど楽でしょう。

しかし、外見の変化は、簡単に受け入れられるものではありません。

だから回復美容では、髪型だけを見るのではなく、その方がどのような場面で、どのような気持ちで過ごしたいのかを考えます。

職場復帰では、周囲との距離感に悩むこともあります

職場復帰をすると、周囲の人との距離感に悩むこともあると聞きます。

病気のことを知らない同僚に、あえて伝える必要はありません。

今までどおりの関係が続くことも多いでしょう。

一方で、直属の上司には、病気のことや復帰後の働き方について相談する場合があります。

治療前から仲の良かった方は、

「大変だったね」

「無理しないでね」

と、ほどよい距離感で接してくれることも多いものです。

ただ、中には詳しく聞いてくる方もいます。

驚いてしまうかもしれません。

しかし、多くの場合は悪気があるわけではありません。

心配していたり、腫れ物のように扱いたくなかったり、純粋な好奇心だったりします。

話したくなければ、無理に説明する必要はありません。

周囲の方にそれとなく配慮をお願いしたり、信頼できる方から伝えてもらったりする方法もあります。

そして、ご自身が治療を経験して初めて、身の回りにも同じ経験をした方が意外と多いことに気づくことがあります。

ただ、自分から話していないだけなのかもしれません。

フルウィッグは、思っているほど周囲に気づかれないことも多いです

「満員電車で気づかれませんか?」

「初出勤で分かってしまいませんか?」

「近くで見られるのが怖いです」

そんな不安を抱える方もいらっしゃいます。

しかし経験上、フルウィッグは意外と気づかれないものです。

皆さんが思っているほど、人は他人の髪を細かく見ていません。

初出勤の日も、満員電車も、想像していたより大丈夫だったという方は多くいます。

気づかれることへの不安だけで、社会復帰や外出を諦めなくてもよい場合があります。

治療直後から、回復美容でできることは少しずつ変わっていきます

回復美容は、治療後2年を待ってから始まるものではありません。

治療後の経過と髪の成長によって、その時に選べる美容技術が変わります。

【治療後0〜5か月頃】フルウィッグを中心に過ごす時期

再生毛がまだ短く、フルウィッグで過ごす方が多い時期です。

この時期は、ウィッグの装着方法やズレにくくする工夫、頭皮や再生毛の扱い方を確認します。

再生毛の伸び方によっては、襟足や耳周りを整えるカットが選択肢になることもあります。

まだ自毛だけで希望する髪型を作ることは難しくても、今の生活を少し過ごしやすくする方法はあります。

【治療後5〜10か月頃】ケモカールとウィッグの暑さが気になり始める時期

再生毛が5cm前後まで伸びると、ケモカールが目立ち始めます。

髪が増えた分、ネットとフルウィッグの中が蒸れやすくなります。

そして、

「もう外したい」

と思い始める方が増えます。

この時期は、全員が同じ方法を選ぶわけではありません。

家の中だけ自毛で過ごしたい方。

近所への外出なら自毛を試してみたい方。

仕事や学校では、まだフルウィッグを使いたい方。

サイドや襟足を短く整えるカットや、トップピースを組み合わせる方法が合う場合もあります。

ただし、本人が望む日常と仕上がりによっては、無理に自毛へ移行しない方がよいこともあります。

【治療後1年頃】自毛でできることが増えてくる時期

再生毛が伸び、髪全体の長さや毛量が少しずつ整ってくる時期です。

カットによって短いヘアスタイルを作れる方もいます。

トップの長さが不足している場合には、トップピースとカットを組み合わせることで、自毛を生かしたスタイルを作れることもあります。

一方で、ケモカールが強く、自毛だけではまだ外出しづらいと感じる方もいます。

同じ治療後1年でも、髪の長さや再生毛の状態、望んでいる生活によって選択は変わります。

【治療後1年半〜2年頃】縮毛矯正が選択肢に入る時期

髪が十分に伸び、トップが耳に届く程度の長さになると、ケモカールに対する縮毛矯正が選択肢に入ります。

CISTAでは、ラストケモから2年以上、かつトップの髪が耳に届く長さを、縮毛矯正の目安としています。

これは回復美容の開始時期ではありません。

縮毛矯正後にヘアスタイルとしてのフォルムを作り、自毛で日常生活を送りやすくするための目安です。

この時期に縮毛矯正を行うことで、強いケモカールが整い、ウィッグを日常的に外す方も増えていきます。

ただし、縮毛矯正を受けること自体が目的ではありません。

自毛で仕事へ行きたい。

学校生活へ戻りたい。

旅行に行きたい。

人に会いたい。

その希望を実現する方法として、縮毛矯正を選びます。

【治療後2年以降】希望するヘアスタイルへ近づいていく時期

さらに髪が伸びることで、選べるヘアスタイルが増えていきます。

ボブ。

丸みのあるショート。

カラーを含めたデザイン。

治療前とまったく同じ髪に戻るとは限りませんが、今の髪を生かして、希望するヘアスタイルへ近づけていくことができます。

回復美容では、時間の経過とともに変化する髪を見ながら、その時に必要な美容技術を選んでいきます。

ウィッグを外す時期は、本人がどのように過ごしたいかによって変わります

ウィッグを外す時期に、全員共通の正解はありません。

家では外したい。

近所のスーパーなら自毛で行きたい。

旅行ではウィッグを気にせず過ごしたい。

学校へ戻りたい。

職場に戻りたい。

人によって、望んでいることは違います。

だから回復美容では、

「いつウィッグを外すか」

だけではなく、

「どんな場面で、どんな気持ちで過ごしたいか」

を確認します。

その希望が見えてくると、今の髪でできることと、もう少し待つことでできるようになることを整理できます。

回復美容の主体は、美容師ではありません。

どのような日常を取り戻したいのかを決めるのは、本人です。

美容師は、その選択を実現するために、今できる美容技術と、まだ待った方がよいことを判断します。

回復美容は、縮毛矯正をするまでの待ち時間ではありません

治療は終わった。

でも、まだ元の生活へ戻れたとは思えない。

前に進みたい。

社会復帰がしたい。

学校へ戻りたい。

でも、今の外見では不安がある。

そんな時期もあると思います。

ただ、ウィッグ生活は永久に続くものではありません。

髪は少しずつ伸びていきます。

そして、髪の成長とともに、選べる方法も少しずつ増えていきます。

回復美容は、縮毛矯正ができる日まで待つことではありません。

治療後のそれぞれの時期に、その時の日常を実現するための美容技術があります。

医療による治療が終わった後、外見の変化を美容技術で整え、本人が望む日常へ戻っていく。

それが、現在のCISTAが考える回復美容です。

「いつまで続くんだろう」

そう思った時は、いつウィッグを外すかだけではなく、今どのように過ごしたいのかを考えてみてください。

今の髪でできることは、すでに始まっているかもしれません。

治療後の髪と、その先の日常を考える回復美容

回復美容は、抗がん剤治療後の縮毛矯正だけではありません。再生毛の長さや状態、今どのように過ごしたいかに合わせて、カット・カラー・ウィッグやトップピース・縮毛矯正など、その時に選べる美容技術を考えます。

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